Profile

松井美彩子 Misako Matsui

医師、ハープ奏者、ハープセラピスト (Medical Doctor, Harpist, Certified Harp Therapy Practitioner)
1994年生まれ。横浜市出身。
医師兼ハープ奏者であることを活かし、音楽療法の医学的検証を題材とした研究を行なっている。


2012年帝京大学医学部入学。
2018年から昭和大学横浜市北部病院で初期研修行い、2021年同大学医学部大学院に進学。
現在、音楽療法(ハープセラピーをメインとした)の生理学的効果について研究を行なっている。
2020年からInternational Harp Therapy program(アメリカ/香港で勉強)に加入し、The National Standards Board for Therapeutic Musicians (NSBTM) に認定されているCertified Harp Therapy Practitionerの資格を取得。

3歳からピアノ、8歳からハープを始める。
2020年香港国際ハープコンクール(HongKong International Harp Competiton)H部門で金賞受賞。2021年福井県音楽コンクール ハープ部門大学一般の部 知事賞受賞(ハープ部門全部での優勝)。
各地で演奏活動を行っている。

また美容皮膚科医として都内クリニックに勤務。

Year of birth 1994 From Yokohama
My studying in graduated school is about music therapy with medical scientific date.
2012 Teikyo University medical
2018 Showa University hospital medical intern
2020 International Harp Therapy Program (USA,HK)、Certified Harp Therapy Practitioner(accredited programs under The National Standards Board for Therapeutic Musicians )
2021 Showa University Graduated school Medical Physiology

8yo~Harp
2020 HongKong International Harp Competiton (Block H) Gold medal
2021 Hukui State Music Competition Governor’sAward

Beauty Dermatologist

音楽療法の道を志したきっかけは、研修医での患者さんとの出会い。

医学部を卒業し大学病院での初期研修医の時、神経内科に非常に興味を持ち合計半年ほど勤務をしていました。

(初期研修医は2年間で内科から外科、救急医療まで様々な科をローテーションして過ごします)

神経内科の他に整形外科にも興味があり、そのどちらかの専門として初期研修医修了後は進むのだろう、とそう考えていました。

神経内科で過ごす日々の中で、現代医療では治すことができない疾患と戦う患者さんと多く出会いました。

遺伝性疾患を持ち、自分もいつか同じような状況になることを理解しながらご両親の看病や介護をしていらっしゃる方も少なくありませんでした。

そんな中、担当の患者さんの一人に筋肉を日に日に動かせなくなってしまう病気を患っている方がいらっしゃいました。

筋肉が動かなくなるということは、肺も筋肉により動いているので呼吸が徐々にできなくなり・物を飲み込むこともできなくなるのでお食事も取れなくなってしまいます。

そうなる前に、我々は胃に直接栄養を取り入れられるようにする手術を勧めるのですが

その一歩を患者さんが踏み出すことは勇気のいることで、決断が遅くなってしまうこともあります。

決断が遅くなってしまうというのは、例えば手術に耐えることができる呼吸機能が存在していないということだったりします。

まさにこの患者さんがそうでした。

胃の手術を決断できた時には、手術を受けることができる機能を失ってしまっていたのです。

私の上司がその宣告を患者さんにしたとき、その情景は今でも忘れません。
すでに声も出せなかったその人は喚くことも、物に当たることもできず、ただその宣告をベッドに横たわりながら聞いていました。

当事者でなければ気持ちを100%理解することなんてできませんが、その時私が思ったことは

今どんな気持ちなんだろう、なぜ自分は医師として何もしてあげられないんだろう、今この人が感じていることを少しでも良いから和らげることができたら。

ということでした。

現代医療でどうにもできない疾患があるならば、少しでも癒しを提供したい。それが自分の本当にやりたいことだと気付きました。

研修医2年目の進路選択時に自分の特技であったハープを使った音楽療法の資格取得ができるプログラムをアメリカで見つけ入学手続きをし、その翌年からは医学的根拠を伴って音楽療法を行いたいと考え、大学院で研究を開始しました。

そして今に至ります。

なぜ、音楽療法の道を志したか皆さんに少しでもこの文章の中だ知っていただければ幸いです。

ここでは神経内科の疾患を患う方のお話をしていますが、もちろんどんな病気をお持ちでも・逆に全く病気がなくても、どんな方でも音楽療法は受けることができます。

様々なストレスや問題を抱えることが多いこの社会で、少しでも一瞬でも皆さんが安らぐことができる時間を提供できるようになること、それが私の目指す音楽療法です。